N1読解が解けない人の口ぐせ|「難しい」「できない」と言う前に考えたいこと

2026年8月17日

N1読解が解けない人の口ぐせ

N1読解を教えていると、なかなか問題が解けない学習者には、ある共通した口ぐせがあると感じることがあります。

それは、「難しい」「できない」「解けない」という言葉です。

もちろん、N1の読解は簡単ではありません。知らない語彙が出てくることもありますし、文章が長く、筆者の意図を考えなければならない問題もあります。

ただ、まだ問題を十分に読んでいない段階からこう決めてしまうと、問題そのものと向き合う前に、「自分にはできない」という気持ちと向き合うことになってしまいます。

今回は、N1読解を勉強するときの口ぐせと、学習への取り組み方について考えてみたいと思います。

PODCAST

この記事を音声で聞く

今回のテーマは「JLPT Compass|Japanese Learning Tips」でもお話ししています。

エピソードを聴く

「難しい」と思うこと自体が悪いわけではない

難しい問題を見て「これは難しいな」と思うこと自体は、自然なことです。問題なのは、「難しい」=「自分には解けない」と最初から決めてしまうことです。

一方で、日本語の勉強について「日本語は楽しい」「この問題、面白い」と話す学習者もいます。こうした学習者は自分から問題に取り組み、分からないことがあっても考えながら先へ進もうとすることが多いです。

読解力を伸ばすためには、語彙や文法の知識だけでなく、分からない問題に出会ったときにもう少し考えてみようと思えることも大切な要素の一つです。

「自分にはできない」と決めつけていた学習者Aさん

以前、私はオーストラリア出身の学習者Aさんに、N1を教えていたことがあります。

Aさんが勉強を始めたのは、試験のおよそ1か月前でした。時間があまり残っていなかったため、限られた期間の中で週に3日、毎回2時間ほど一緒に勉強する時間を取り、できることを積み重ねていくことにしました。

もっとも、最初のうちは「難しい」「できない」という言葉をよく口にしていて、問題が解けないと「自分にはこれはできない」とすぐに決めてしまうところもありました。

それでも試験まではまだ1か月あります。そこで私は「まだ時間はあるので、今できることをやりましょう」と伝え、二人でその週3日の勉強を続けていきました。すぐに結果を求めるのではなく、一問ずつ問題を解きながら、少しずつ「解けた」という経験を積み重ねていったのです。

読解の勉強と「自己効力感」

ここで関係してくるのが、心理学で使われる「自己効力感」という考え方です。簡単に言えば、「自分ならできそうだ」「自分ならこの課題に取り組めそうだ」と思える感覚のことです。

難しい問題に出会ったとき、「自分なら考えれば解けるかもしれない」と思って取り組む人と、「どうせ自分には解けない」と思いながら取り組む人とでは、問題への向き合い方も、そして結果も変わってきます。

N1読解では、一度読んですぐ答えが分かる問題ばかりではありません。選択肢を比較したり、文章の中から根拠を探したり、筆者が何を言いたいのか考えたりする必要があります。その途中で「分からないから無理」と考えるのではなく、「まだ答えが分からないだけ」と考えて、もう一度文章に戻ってみることが大切です。

小さな「解けた」を増やしていく

自信を持つために、最初から「私はN1読解が得意です」と思い込む必要はありません。それよりも大切なのは、実際に問題を解いて「解けた」という経験を少しずつ増やしていくことです。

一問解けた。前は分からなかった文章が読めた。選択肢を二つまで絞れるようになった。本文のどこを見ればいいのか分かるようになった。

こうした小さな成功体験を積み重ねていくことで、「もしかしたら自分にも解けるかもしれない」という感覚が生まれてきます。そして問題が少しずつ解けるようになると、日本語の勉強そのものも面白くなってくるのです。

Aさんのその後

Aさんは、その年の12月にN1を受験しました。そして翌年2月、Aさんからメールが届きました。「先生、合格しました」という、嬉しい報告でした。

もちろん、教師ができることには限界があります。最終的に合格につながった一番の理由は、週3日、2時間という限られた時間の中で、本人が最後まで勉強を続けたことです。

そして合格後に話したAさんは、以前のように「難しい」という言葉ばかりを口にするのではなく、「日本語は楽しい」という雰囲気で日本語について話していました。

N1読解を勉強するときに意識してほしいこと

もしN1読解の問題を見た瞬間に「難しい」「できない」「絶対に解けない」と言ってしまう癖があるなら、一度その言葉を止めてみてください。代わりに、「まず読んでみよう」「どこに根拠があるか探してみよう」「もう少し考えてみよう」と考えてみてください。

N1読解は、最初からすべて解ける必要はありません。一問ずつ「解けた」という経験を増やしていくことが、次の問題に取り組む力につながります。

「自分にはできない」と決めるのは、問題を解いてからでも遅くありません。まずは自分には解ける可能性があると信じて、問題に向き合ってみてください。

Aさんのように、限られた時間の中でも、少しずつ積み重ねていけば結果はついてきます。

ONLINE LESSON

「なぜその答えになるのか」が分かると、読解・文法はもっと解ける!

JLPT N1・N2の読解・文法・語彙・聴解対策を、少人数のオンラインレッスンでサポートしています。

答えを教えるだけでなく、「なぜその答えになるのか」を一緒に考えながら進めます。

根拠を持って、自分の力で解けるようになることを目指すレッスンです。

まずは無料カウンセリング(30分)で、今の学習状況や課題を聞かせてください。

無料カウンセリング(30分)に申し込む

※オンライン(Google Meet)で気軽にご相談いただけます